【記事紹介】東京の透明トイレ

今回は、気になったフランス語記事を紹介します。渋谷にできた、壁が透明なガラスになっている公衆トイレの話です。

出典は、Courrier Internationalが2020年8月18日付けで配信した記事(リンク先はこちら)。

画像URL(最終閲覧日2020年8月20日):https://www.courrierinternational.com/article/japon-tokyo-des-toilettes-transparentes-pour-rassurer-les-usagers-sur-leur-proprete#&gid=1&pid=1

この試みは、日本財団の推進する”THE TOKYO TOILET”というプロジェクト(リンク先はこちら)の一環で、建築家の坂茂氏が設計したトイレです。壁が透明なガラスと書きましたが、利用中は、ガラスが曇って外から中が見えなくなります。記事によると、壁をガラスにした理由は二つあり、一つには中がきれいかどうか確かめられるようにするため、もう一つには防犯(待ち伏せ予防)のためだそうです。

利用者の安全・安心を考えて新しい建材を使う工夫は、設計・建設の現場で日々行われていることなのかもしれません。ただ、業界の外の人間にはその工夫を知る機会は少ないため、私はこの記事を読んでとても面白いと思いました。

さらに踏み込んで考えると、そもそも、建物において安全と安心は、しばしば矛盾する要素なのかもしれません。例えば、建物に丈夫さを求め、壁を厚くし、窓を小さくすればするほど、建物の中に何があるのか、中で何が起こっているのか、外からは分からなくなります。こうして、頑丈で安全な建物は、中の様子が分からない、つまり全然安心ではない建物になり得るのです。透明トイレは、安全かつ安心な建物を目指している点で、こうした矛盾に対する一つの回答なのかもしれません。

透明トイレの場所は、代々木公園横の、はるのおがわコミュニティパークです。男性用と女性用は別々で、夜はライトアップされるとのこと。お近くの方、通勤通学で通り道の方はご覧になってみてはいかがでしょうか。<2020年8月20日投稿>

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